意外に思われるかもしれませんが、米国の名門大学では寄付金等を元手に資産運用をするのが一般的です。
そして、この名門大学による資産運用の成果がスゴイです。
例えば、1998年からの20年間でハーバード大学は年平均9.5%、イェール大学は12%もの成績を残しています。
この素晴らしい米国名門大学の運用手法を真似できないものか?と作られたのがGCIアセットマネジメントが提供している「GCIエンダウメントファンド」です。
果たしてGCIエンダウメントファンドは名門大学の運用手法を再現できているのでしょうか?しっかり分析した上で解説していきます。
GCIアセットマネジメントはどんな会社?
基本情報
まずはGCIアセットマネジメントがどんな会社なのかから見ていきましょう。
会社の基本情報はこちらです。
商号 | 株式会社GCIアセットマネジメント |
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設立 | 2000年4月13日 |
業務内容 | 投資運用業、投資助言業、第二種金融商品取引業 |
所在地 | 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館10F |
運用資産残高 | 2,719億円(2020年9月末時点:グループ全体) |
2000年4月に設立されていて、もう20年以上もやっている歴史のある会社ですね!運用資産残高も2,719億円もあり大きな規模となっています。
どんな人たちがやっているの?
続いて、運営しているのはどんな人たちなのでしょうか。代表者は山内 英貴さんという方で経歴も素晴らしいです。
東京大経済学部卒
日本興業銀行入行
GCIアセットマネジメント設立
東京大学経済学部非常勤講師
東京大学を卒業後、日本興業銀行(現在のみずほ銀行)に入行し為替金利トレーディング・デリバティブ関連業務でご活躍された後、GCIアセットマネジメントを設立されています。まさにエリートという言葉がピッタリの経歴ですね!
さらに、他の役員の方や社員の方の経歴も素晴らしく、東京大学や早稲田大学を卒業された方が多く在籍されています。
代表をはじめとして社員の方も経歴が素晴らしく、GCIアセットマネジメントは文句のつけようがないエリート集団となっています!
GCIはどんなファンドをやっているの?
GCIアセットマネジメントが提供しているファンドは4種類あります。
①GCIエンダウメントファンド(成長型)
②GCIエンダウメントファンド(安定型)
③マルチアセット・ストラテジーファンド(愛称:なごみの杜)
④GCIオルタナティブバスケット・ファンド V10(ラップ専用)
それぞれのファンドでそれぞれの良さがありますが、これらの中でもメインはやはりGCIエンダウメントファンドです。
今回はGCIエンダウメントファンドに投資することを前提に解説していきますね!
米国の名門大学の基金のことです。寄付金を元手に資産運用するのが米国の名門大学では一般的で、年利10%をこえる大学もあります。
着眼点として非常に面白いですよね。それでは、具体的に中身がどんなものなのか見ていきましょう。
GCIエンダウメントファンドの正体とは
GCIエンダウメントファンドの運用戦略
GCIエンダウメントファンドの基本戦略は、これまで見てきた取り米国の名門大学をマネすることです。すでに成功している投資戦略を模倣することで成功確率を高めます。
では、実際どうするかというと具体的な投資先はヘッジファンドとETFになります。
実際の投資先とは?
続いて具体的にはどのようなところに投資しているのか見ていきましょう。
まずヘッジファンドの投資先は、日本株、米国株、先進国株、新興国株、先進国債権、海外債券、国内リート、海外リートと多岐にわたります。
世界中の株や債券に投資することで、グローバル分散投資を行っているのが特徴です。
そして、図を見るとヘッジファンドの占める割合は36.5%となっていて、その他は世界中の各種ETFに投資していることが分かります。
これらのETFも分散投資を行っていますので、GCIエンダウメントファンドは超分散投資を行っていることになります。
ヘッジファンドの強みとは?
グローバル分散投資を行うヘッジファンドですが、特徴はただ分散投資をするだけではありません。
「相場全体が下がっている時でも利益を出せるように努めている」のがポイントです。
普通であれば、株価が下がると損が発生しますので相場全体が下がっている時はある種どうしようもありません。
しかし、こちらのヘッジファンドでは独自の理論に基づき世界中の指数から買いと売りを組み合わせることによって下落相場でも利益を追求できるのです。
運用で目指すもの
GCIエンダウメントファンドでは明確な目標設定がなされています。
目標リターン:8%
目標リスク:8%
目標シャープレシオ:1.0
ちょっと難しい言葉が並んでいますね。シャープレシオはリターンをリスクで割ったものになるのですが、数字が大きいと優秀です。
リスクというと損する可能性かな?と思ってしまいますが、標準偏差の事を指しています。ん~ちょっと難しいですね!この部分は完璧に理解できなくても大丈夫です。
簡単に言えば、値動きをどれだけ安定させてリターンを狙うのかという話になります。気になる方は、投資におけるリターンやリスクについて詳しく調べてみても面白いですよ。
これまでの運用成績
さて、これまでの実際の運用成績はどのようなものだったのでしょうか?目標と比較してみましょう。
実績 | 目標 | |
リターン(年率) | 3.5% | 8% |
リスク(年率) | 7.7% | 8% |
シャープレシオ | 0.47 | 1.0 |
リスクは目標とほぼ同程度ですが、リターンは3.5%と8%に遠く及ばない結果となっています。そのため、シャープレシオも目標と開きがありますね。
まとめると、「狙っていた安定的な運用は実現できたけれども、思っていたより利益を上げられなかった。」ということになります。
もちろんすごく悪いという訳ではないですが、狙っていた目標には届かず良かったとは言えない結果となっています。
GCIアセットマネジメントが良いと思う点
1安心して投資できる
GCIアセットマネジメントの良い点1つ目は「安心して投資できること」です。
詐欺などの心配は全くする必要がありません。運営者や資金を集める方法、投資先、管理体制、どこをとっても安全・安心です。
きちんと分別管理もされており受託会社は「三菱UFJ信託銀行」となっています。そのため、仮にGCIアセットマネジメントが倒産してしまったとしても資産は保全されます。
2超お手軽にヘッジファンドに投資できる
ヘッジファンドは基本的に「私募」で投資家を募っているため手続きするのが大変です。
実際に対面で詳細説明を受けた上で手続きを進めていかなければなりません。
ですが、GCIアセットマネジメントでは投資先にヘッジファンドが組み込まれているにもかかわらず、手続きは一般的な投資信託と変わらずインターネットから簡単に買うことができます。
3優秀ファンド賞受賞
GCIアセットマネジメントの3つ目の魅力は数々の賞を受賞していることです。これまでに受賞したものをずらっと並べてみましょう!
✔「一億人の投信大賞2019 資産分散 アロケーション・やや積極型」3位
✔「モーニングスター “ファンド オブ ザ イヤー2019”バランス(成長)型部門」優秀ファンド賞
✔「一億人の投信大賞2018 アロケーション・やや積極型」1位
✔「モーニングスター “ファンド オブ ザ イヤー2018”のバランス型部門」優秀ファンド賞
✔「モーニングスター “ファンド オブ ザ イヤー2017”のバランス(成長)型部門」最優秀ファンド賞
✔「モーニングスター “ファンド オブ ザ イヤー2016”のバランス(安定成長)型部門」優秀ファンド賞
2016年から2019年まで優秀ファンド賞や最優秀ファンド賞など、数多くの立派な賞を受賞しています。
GCIエンダウメントファンドは客観的に見ても非常に高く評価されていることが分かりますね。
GCIアセットマネジメントが微妙だなと思う点
1手数料が2重でかかっている
逆にGCIエンダウメントファンドが微妙だなと思う点についても見ていきましょう。
まず一つ目としては、手数料が二重にかかってしまうのがもったいないです。
GCIエンダウメントファンドはヘッジファンドに投資している点はすばらしいのですが、残りの64%ほどの資産はETFに投資しています。
ETFに投資すると当然ETFでの手数料もかかりますのでGCIアセットマネジメント等に払う手数料と合わせて二重に取られてしまう事になるのです。
2ヘッジファンドの割合が少ない
GCIエンダウメントファンドでは、オルタナティブ投資としてヘッジファンドに投資している割合は資産の36.5%です。
本家である米国名門大学の基金では、70%ほどをオルタナティブ投資に費やしています。
伝統的な株や債券ではなく新しい投資手法や投資対象を指す。
本家の米国名門大学と比べるとGCIエンダウメントファンドのオルタナティブ投資の割合は半分程度であり少なくなっています。
3良くも悪くも資産がスゴク増える訳ではない
GCIエンダウメントファンドの運用戦略は長期投資かつ分散投資で安定化を図る手法です。
投資しているヘッジファンド(GCIシステマティック・マクロファンド Vol 10 クラスA)も超分散投資を目指すヘッジファンドとなっています。
2016年から毎年連続で賞を受賞するほど優れていますが、あくまで超分散投資による安定運用がメインです。
超分散投資ということは良くも悪くも、資産がスゴク増えたり減ったりするわけではありません。
GCIアセットマネジメントの総評
GCIアセットマネジメントは運営会社や運用戦略が優れている一方で公募ファンドであるがゆえの足かせもあるのかなと感じました。
公募ファンドは広く不特定多数の投資家から資金を募れるため運用に対する制限も厳しいです。
これが私募ファンドであれば運用に対する制限がなくただただ資産を増やすことを自由に追求することができます。
公募ファンドに投資するのであればGCIアセットマネジメントは良い選択肢の一つだと思います。
1万円程度から購入できますので小額から資産運用を始めたい人に向いていると思います。
しかしながら、1000万円以上の資金を資産運用するのであれば、公募ファンドではなく直接私募のヘッジファンドに投資するのがおすすめです。
手数料も二重にかかりませんし、資産の100%をヘッジファンドで資産運用することができます。
自分の資産運用したい金額感に合わせて検討してみて下さい。