こんにちは!恵です。
今回は、富裕層の資産運用として代表的な、「ファンドラップ」と「ヘッジファンド」の比較をしていきたいと思います。
1,000万円以上の資産を運用しようと思った場合には、どちらも耳にする運用方法だと思うので、
「どういう違いがあるのか知りたい…」「結局どっちの方が優れているのか知りたい…」という方は是非参考にしてみて下さいね!
「ファンドラップ」「ヘッジファンド」の特徴
ファンドラップとは
「ファンドラップ」は銀行や証券会社など大手の金融機関が扱っている商品であり、まとまった資金を預けてオーダーメイドの運用をしてもらうというものです。
投資家としてどの程度のリスクを取りたいかを説明すると、そのリスク許容度に合わせて投資信託を組み合わせ、ポートフォリオを組んでくれます。
窓口が銀行や証券会社であるため問い合わせがしやすいこと、また全てを一括で任せることができるため手間が省けることなどがメリットです。
一方、ポートフォリオを組んでくれるとは言え、ある程度社内で決まった規則に乗っ取って投資信託を組み合わせているだけなので運用自体が市場に打ち勝つような優れたものではないこと、
また、口座の管理費とは別に、投資信託自体の手数料が別途掛かっているので、手数料が二重になってしまうという難点があります。
ヘッジファンドとは
ヘッジファンドとは、少数精鋭のプロフェッショナルが独自の運用を展開する資産運用会社のことです。
ファンドマネージャーと呼ばれる、運用に関する決定権を持った人物を中心に、アナリスト(調査担当)、セールス(営業)の合計数人から数十人で構成されています。
メリットとしては金融のプロフェッショナルによるレベルの高い運用を享受することができる点です。
投資をすることでそのパフォーマンスを享受することができるのです。
一方、難点として挙げられるのは、基本的に大手の金融機関などで取り扱いがないのでアクセスするのが難しい点、また最低出資額のハードルが高いので数百万円からスタートすることが出来ない点です。
「ファンドラップ」、「ヘッジファンド」の比較
それぞれの商品の特徴をみてみましょう。
分かりやすいように、比較のグラフを作ってみました。
ファンドラップ | ヘッジファンド | |
運営主体: | 銀行、証券会社等 | 少数精鋭の運用会社 |
投資家の募集形態: | 公募 | 私募 |
投資家の営業方法: | 銀行や証券会社による、テレアポ・窓口営業・広告等 | 直接の知り合いによる人づての営業 |
最低出資額: | 300万円 | 1,000万円 |
運用手法: | 投資家のリスク許容度に応じて、投資信託へ分散投資 | 個々のヘッジファンドによる、独自の運用戦略 |
運用の目標: | 投資家のリスク許容度に応じたリスク/リターンの実現 | いかなる状況でもプラス運用を出す絶対利益の追求 |
手数料: | ファンドラップ口座管理手数料、投資信託の購入手数料/信託報酬 | 購入時手数料、信託報酬、成果報酬 |
メリット: | 窓口が大手なのでアクセスが簡単、投資家に応じたオーダーメイドの運用が受けられる | 専門性の高いプロフェッショナルな運用を受けられる |
デメリット: | 分かりづらい部分で手数料を取られている、運用のパフォーマンスが高くない | ファンド自体にアクセスすることが難しい、ロックアップ期間が長く流動性が低い |
並べてみると、上記のようになります。
どちらも富裕層向けの商品ではありますが、その特性は全く違いますね。
「ファンドラップ」と「ヘッジファンド」運用を任せるならどちらの方が良い?
さて、早速結論なのですが、私はある程度のハードルをクリアすることができるのであれば、ヘッジファンドの方が資産運用の方法として優れていると考えています。
さて、このクリアしないといけないハードルと、それをクリア出来た場合にはヘッジファンドの方が優れているであろう理由について詳しく解説していきますね!
ヘッジファンドに投資するに当たってのハードル(1)
まず、先ほども書いたことなのですが何と言ってもヘッジファンドは発見することが困難です。
銀行や証券会社も扱っておらず、街中に広告を出しているわけでもテレビCMを打っているわけでもないので、一般人が目にする機会は限りなくゼロに等しいんですね。
ですので、
- ヘッジファンドに投資している人、もしくは金融関係者のコネを借りてファンドを紹介してもらう
- 自ら問い合わせの連絡をし、アポを設定する
のどちらかのアプローチによりアクセスしないといけません。
ここが、意外と骨の折れるポイントであり、多くの人がヘッジファンド投資を実践できない理由でもあります。
ヘッジファンドに投資するに当たってのハードル(2)
ヘッジファンドに投資しようと思った時にハードルになる2つ目のポイントは、最低投資金額の大きさです。
投資信託は1万円程度から購入できますが、ファンドラップであれば300万円程度から、そしてヘッジファンドになると最低投資額の低いところでも1,000万円程度から出資が可能になっています。
ちなみに海外のヘッジファンドに目を向けると、1億円を最低出資額としているようなファンドも見受けられ、ちょっと一般人の手の届く領域から逸脱してきている感もあります。
この、1,000万円を出資するのであれば手元に残しておく分も考えて現金で1,500万円以上は欲しいので、それだけの貯金を作る必要があるということが、ヘッジファンド投資へのハードルになってくるのです。
ヘッジファンドに投資するに当たってのハードル(3)
最後のハードルは、いつでも直接自分の資産状況を確認できるという安心感のなさです。
ファンドラップでは、大手の金融機関が展開している商品のため何か困ったことがあればリアル店舗にて状況の説明を受けることができます。
また、解約をしようと思えば数日内に手続きが可能ですし、精神的な安心感の面では非常に優れていると言えます。
ヘッジファンドは、自分の資産状況を担当者に聞くことはできますが、ファンド自体がリアル店舗をいくつも展開しているわけではないので「いつでも会える」という安心感には欠けてしまいます。
ハードルをクリアできた場合になぜヘッジファンドの方が良いのか
さて、これらのハードルをクリアできた場合になぜヘッジファンドの方が良いのかという理由ですが、一言で言うと「運用の質」の問題です。
やはりファンドラップは、提供している金融機関がそれぞれのシナリオに従って自動的に投資信託を選んでいるだけなので、マーケットよりも良い運用がなされるということはほとんどありません。
市場が悪くなればそのまま悪くなり、良くなればそのまま利益が出る、というようにマーケットのリスクをそのまま取っているという状態になってしまうのです。
つまり、自分自身で、今世の中の状況がどうなのか、今後景況感がどのように推移していくかということを予想し、常に資産運用のことを考えないといけません。
一方で、ヘッジファンドは状況に応じて運用のプロフェッショナルが勝手にポートフォリオを組み替えるので、ファンドマネージャーの能力が確かであれば市場のリスクに晒されず利益を上げることができます。
ファンドラップとは違い、「人間力」の差が出てしまう領域なので、良いファンド(ファンドマネージャー)にベットするということが非常に大切ですが、
一度信頼できるファンドに預けてしまえば運用のことは全く考える必要などありません。
安定的な資産運用、ということを目的とするのであれば富裕層にとってのベターな選択はヘッジファンドになってくると思います。
ヘッジファンドに預け入れるに当たってのハードルさえクリアできるのであれば、ファンドラップよりもヘッジファンドをオススメしています。
まとめ
以上、今回は富裕層の資産運用として代表的な、ファンドラップとヘッジファンドを比較してみました。
このサイトでは、ヘッジファンドを中心に様々な金融商品の解説を行っているので、興味ある方はぜひ他の記事もチェックして下さい!