富裕層限定の「ゆかし」というプライベートクラブを運営していることでも有名なヘッジファンドダイレクトですが、実際の投資先としてはどうなのでしょうか?
評判を調べてみると過去に業務停止命令を受けたことが多く取り上げられ、現在の実態がどうなのかはよく分かりません
そこで、ヘッジファンドダイレクトに問い合わせて実際に面談を受けてきました。新鮮な生の情報を皆様にお届けできればと思います!
実際にヘッジファンドダイレクトの面談を受けてきた
面談場所は東京大手町の本社
ヘッジファンドダイレクトに問い合わせると、東京大手町にあるヘッジファンドダイレクトの本社に伺うことになりました。
場所はこちらです。
東京都千代田区大手町1-5-1大手町ファーストスクエア ウエストタワー18F
という訳で大手町のファーストスクエアに行ってきました。
ファーストスクエアはオフィスやレストランが入っている立派なビルです。レストランフロアは誰でも入れますが18階に行くためにはセキュリティを越えなければいけません。
そのため、受付でゲスト用のカードキーを受け取ってからエレベーターで上がっていきました。面談はきれいな応接室でして頂きました。
気になる面談の内容とは?
私の場合、時間は1時間ほどでしたが実に内容の濃い話が聞けました。大まかな内容はこちらです。
●ヘッジファンドダイレクトと販売会社の違い
●あやしいヘッジファンドの見分け方
●優良ヘッジファンドの探し方
●自分に合ったポートフォリオとは
ヘッジファンドダイレクトの強みはもちろんですが、それ以外にもヘッジファンドを探す際のポイントなどについても説明してくれました。
資料もたくさん使用して説明して下さいましたが、公開出来ないものも多いのでこちらは本当に一例です。
面談してみた感想は・・・?
面談を実際に受けてみた感想としては、丁寧に説明してくれましたしきれいな応接室のため安心感がありました。
説明内容も充実していましたし、投資するにしろしないにしろ説明を聞くだけでも価値はあると思いますので気になる方はぜひ足を運んでみて下さい。
では続いて具体的にヘッジファンドダイレクトの良いなと思った点と微妙だなと思った点についてもお話ししていきますね!
ヘッジファンドダイレクトの良いなと思った3点
①詐欺ではなく安心して投資できる
②ヘッジファンドダイレクトが倒産しても大丈夫
③顧客本位の営業
①詐欺ではなく安心して投資できる
ヘッジファンドダイレクトの良い点の一つ目は、詐欺ではなく安心して投資できる点です。
ヘッジファンドダイレクトは投資助言業ですので顧客からのお金を直接預かる訳ではありません。そのため、ヘッジファンドダイレクトが顧客をだましてお金を持ち逃げするという心配はしなくていいのです。
さらに、ヘッジファンドダイレクトが紹介してくれる海外ヘッジファンドは分別管理を行っています。
「運用を指示する人」と「実際にお金を管理する人」が別となっており、資金の持ち逃げの心配がない。
投資家が振り込むお金は、海外ヘッジファンドが自由に使えるわけではなくて信託銀行が管理します。こうすることで、海外ヘッジファンドがお金を持ち逃げする危険も防いでいるのです。
②ヘッジファンドダイレクトが倒産しても大丈夫
ヘッジファンドダイレクトはあくまで投資助言業であるため、仮にヘッジファンドダイレクトが潰れてしまったとしても投資家の資産がなくなる訳ではありません。
投資家の資産はあくまで海外ヘッジファンドで運用されていますので、そもそも運用そのものにはヘッジファンドダイレクトは関係ないのです。
ヘッジファンドダイレクトが過去に業務停止命令を受けたことがあって心配だったという人も、仮にヘッジファンドダイレクトが何かの理由でなくなったとしても運用自体は続くのでその点は安心して下さい。
③顧客本位の営業
一般的な証券会社ではとにかく金融商品を売買してほしいのでしつこく売買をすすめてきます。なぜなら、商品を売買した際に手数料が入るからです。これが金融庁にも問題とされている回転売買というものです。
一方、ヘッジファンドダイレクトではしつこい営業もありませんし、自分のペースで資産運用を考えることができます。
この辺からもヘッジファンドダイレクトはただ商品を売るだけの販売会社ではなく投資助言業だと感じました。
ヘッジファンドダイレクトの微妙だなと感じた3点
①海外ヘッジファンドへの送金手続きが大変
②為替リスクが怖い
③契約が3つ必要で大変
①海外ヘッジファンドへの送金手続きが大変
海外ヘッジファンドに資金を送金するのは意外と大変です。
まず外貨預金口座が必要です。ほとんどの人は外貨預金口座を持っていないので新しく作らなければなりません。
さらに、ドルで送金する必要があるので、日本円をドルに変える手数料もかかります。
そして、送金手続き自体も意外と大変です。最近マネーロンダリングに対する規制強化などの影響を受けて海外送金の審査が厳しくなっています。銀行に投資目的での海外送金を拒否されることはよくあるのです。
銀行での多額の海外送金は平日の窓口でしかできませんから、せっかく有休をとって銀行にいったのに海外送金を断られてしまったなんてこともあり得ます。
銀行をハシゴした結果、どこも受け付けてくれなかったなんてことになったら悲惨ですよね。
海外ヘッジファンドへの送金は思ったよりもハードルが高いのです。
②為替リスクが怖い
海外ヘッジファンドで資産運用するということは為替リスクがつきものです。ドルで運用しドルでの評価となります。
為替というのは誰にもコントロールできません。たとえ投資している海外ヘッジファンドがどんなにすごいヘッジファンドであったとしても、運用している間に円高が進行すれば利益は吹っ飛んでしまいますしマイナスになる恐れもあります。
資産運用するときに普通は円建ての商品とドル建ての商品に分散投資しますが、ヘッジファンドダイレクトでは自動で100%ドル建て運用になってしまうのが怖いですね。
③契約が3つ必要で大変
ヘッジファンドダイレクトで資産運用しようと思ったら3つの契約が必要です。
①ヘッジファンドダイレクトと契約
②海外ヘッジファンドと契約
③行政書士と契約
まずはヘッジファンドダイレクトと投資助言契約を結ぶ必要があります。
ヘッジファンドダイレクトはあくまで海外ヘッジファンドを紹介するだけですので運用するためには海外ヘッジファンドとも直接契約を結ぶ必要があります。
そして、この海外ヘッジファンドとの手続きは全て英語の書類ですし専門家に代行してもらう必要があります。
この専門家が行政書士になりますので、行政書士とも契約が必要になります。
3つの契約が必要というのが手がかかって大変ですし、書類が全て英語なのも大変ですね。
気になるヘッジファンドダイレクトの手数料は
契約が3つ必要というお話をしましたが、当然手数料もそれぞれで必要になってきます。
ヘッジファンドダイレクト | 初年度:投資予定金額の3%(税抜) 2年目以降:運用残高の0.9%(税抜) |
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海外ヘッジファンド | ヘッジファンドごとに必要 信託報酬:運用残高の2%程度 成果報酬:成果の20%~40%程度 |
行政書士 | 15,000円~ |
その他 | 海外送金手数料:銀行によって異なるが5000円~2万円程度 |
すごく高いわけではないですが、安くはないなというのが感想です。一つ一つの手数料は一般的ですが、やっぱり契約の数が多いので合わせるとけっこうな金額になってしまいます。
なぜ処分された?業務停止命令を解説する
ヘッジファンドダイレクトの3つの違反
ヘッジファンドダイレクトを検討する上で忘れてはいけないのが、過去に下された業務停止命令の処分です。
なぜ行政処分を受けてしまったのかきちんと確認しておきましょう。
ヘッジファンドダイレクトが過去にしてしまった違反はこちらです。(以前はアブラハム・プライベートバンクという名前で事業を行っておりアブラハムが行政処分を受けました。)
①無登録販売
②誇大広告
③個別顧客への利益提供
この中でも特に気になったのが無登録販売です。詳しく見ていきましょう。
無登録販売の問題点
ヘッジファンドダイレクトは金融商品販売業者の登録をせずに海外ヘッジファンドから販売手数料を受け取ってファンドを販売していました。
これの一番の問題はヘッジファンドダイレクトの強みが否定されることです。
●海外ヘッジファンドから手数料をもらわない
●投資家から助言手数料をもらう
●中立の立場で本当に顧客の資産を増やす海外ヘッジファンドを紹介できる
ヘッジファンドダイレクトはあくまで投資助言業であり、海外ヘッジファンド側から手数料をもらってないからこそ中立の立場で顧客にあったファンドを紹介できるという話でした。
しかし、海外ヘッジファンドから手数料をもらっていたということは、顧客本位ではなく、もらえる手数料が高い海外ヘッジファンドを優先して紹介することにつながります。
投資助言業というヘッジファンドダイレクトの根幹をなす部分に違反があり行政処分が下ってしまったわけですね。
ただし、極めて重要な部分が原因で業務停止命令が下ったわけですから、現在は改善されている事と思います。
結論としてヘッジファンドダイレクトはこんな人におすすめ!
では、結局ヘッジファンドダイレクトはどんな人におすすめなのでしょうか。
ずばり、「1億円以上の余裕資金がある人」です。
最低出資金額は2000万円となっていますが、実際に投資する上では複数の海外ヘッジファンドを組み合わせてポートフォリオを作る必要があるので少なくとも4000万円程度欲しいです
現にヘッジファンドダイレクトでの出資金額の平均は4500万円となっています。
4000万円を投資するとしたら、4000万円全額が為替リスクにさらされることになります。これだけの資金を為替リスクにさらすのは正直微妙だと思いますが、1億円以上の余裕資金がある人であれば問題ないかと思います。
契約も直接海外ヘッジファンドと結ぶことになりますし、手続き等もすべて英語ですのでヘッジファンドダイレクトは余裕資金のある玄人向けかなという感じがします。
1000万円~3000万円ほどを運用したい人や、資産運用初心者の方にはヘッジファンドダイレクトはおすすめできません。